少し今回はとがった話題を。といっても多くの方がご存じですよね。FinTechです。数年前(5-6年前?)私が初めて聞いたときは知る人ぞ知るキーワードでしたが、今は大分知られるようになりました。その反応もかなり変わったような気がします。
数年前だとFinTedhはどうせすぐ消えるバズワードに過ぎないという言い方がありました。たしかにFinanceとTechnologyの組み合わせです。いままで金融は様々テクノロジーを受け入れて進歩してきたわけで、日本の情報システム業界の仕組みを作ったのが銀行のオンラインシステムな訳です。いままでだってFinTechだといえなくもありません。
ただ、これは単なる言葉遊びにすぎません。問題はテクノロジーのもたらすものが効率向上などのレベルではなく、今までのゲームがかわるというレベルの話のように思われます。いままで金融に携わってこなかった業者が入ってきて、サービスを提供してきています。
また金融包摂といっていままで銀行口座、クレジットカードを持っていなかった方が、金融サービスを受けることができるようになります。
これらは特に日本のような規制が強かった国では特に大きいでしょう。
危険じゃないかといわれるでしょうが、それはリスクの適格な見積もりとオペレーションから新たなルール作りで避けるということだと思います。
まさしくゲームが変わってきてるのです。そのメリットは生活を変えるのではないでしょうか。
以前は特に金融関係のIT業界から冷笑的な声が聞こえて、一方金融界からは脅威としてみる声が大きかったようです。
いまではどうでしょうか。対決、冷笑から共に新しいものを作り出していこうという雰囲気になりつつあるのではないでしょうか。状況的にそうもいってられないからかもしれません。有名な会計ソフトもそうですね。ただ、まだ世界の重要なプレーヤーにはなりえていないようですね。
実はアメリカでも数年前まで金融界にはFinTech脅威論があり、攻める新興ITベンチャーと受ける金融業みたいな形がありましたが、そのような対立は見られなくなり、手を携えて、分厚い産業を生み出しつつあるように見えます。
一方日本では外部からの声が少し大きいです。例の仮想通貨騒動とそれから現在のモバイル決済は日本が進まない状況から、危険性を声高に言う方や、日本は遅れている論と危険なものに手を出さない日本は正しい論が出ていますね。
あまり生産的な議論ではなく、どちらも部分的にだけ正しいのでしょう。ただ、いくつか日本の金融に対する考えに特徴が見られると思います。
そこで国際比較で、いくつか例によってデータを見てみましょう。
グローバルな投資がどこに向かっているかということですが、いままでの投資が多かったかが横軸、現在の投資の伸びが縦軸です。
右下はいままでの投資が多かった分、伸びがひと段落しているもの、左上は今まで投資が少なかった分、近年増えているもの。その中で日本は左下で今まで少なく、伸びも少ないということになります。
更にフィンテックの投資が大きい国をタイプ3つに分けて高い技術を国内に向けている先進国、その膨大な需要を目指して世界中から投資が舞い込む母体規模活用国、頭脳ノウハウ、人材が集約しているために投資が舞い込むハブ国、日本はどれにも当てはまっていません。
日本の金融サービスが進んでいるからだというのは部分的に楽しいでしょうが、それはスマホの黎明期時もいわれた議論です。日本の携帯は進んでいるからスマホはいらないと。結局日本は優位性を保てないままになっています。
まずFinTechへの期待とは何かということです。
どうも日本とグローバルは傾向が違うようです。
日本では人件費削減効果を期待しているのに対し、グローバルでは競争力の源泉として考えているようです。
どうもここで日本の期待は従来型のIT投資と変わらないですね。
またFinTechに対する脅威ですが、日本ではセキュリティが高いです。一方自分がプレイヤーの地位を奪われるとはあまり考えていないようです。
一方グローバルはセキュリティも高いですが、それ以上に競争相手として脅威に見ていることが多いですね。
ちょっとここら辺は残念です。iPod もスマホもどうも日本のメーカーは単なる改良版としか思わなくて失敗した経緯があります。日本流の付き合い方があるのは勿論ですが、そこも含めて考えてほしいですね。
またセキュリティを重要事項として考えることは必要ですが、少しメリット・デメリットの考えがセキュリティにいたるとバランスを欠くことがあるように思います。
やはり利便性と安全をバランスとりながら日本の現状にあった形を積み重ねてほしいものです。
最後に少し良いデータを。今後91%の企業が3~5年の間でフィンテック企業とのパートナーシップを拡大していくとの答えです。
これから日本流のFInTechが金融機関と協創して出てくることを期待しましょう。我々もその一員となりたいものですね。
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