A君、24歳。中レベルの大学を卒業し、そこそこの企業に就職。営業部門に配属されたまでは良かったんだけど、半年で退職。その後就活はするものの、なかなかしっくりくる仕事が見つからず、いつの間にか、ニート状態になってしまいました。
自宅生活なので食うには困らず、元々コツコツと自作でサーバーを立てたり、朝までコンピューターゲームをやったり…そんな生活がもう2年近く続いています。親にもうるさく小言を言われ、自分だって「こんなんじゃだめだ…」と分かってはいるんだけど…。
A君のような若者って結構、世間にたくさんいそうですよね。
幸いA君は、全力の勇気をふりしぼって地域の支援団体の窓口に相談を持ち掛けました。その相談員が親身に相談に乗ってくれたことで、今まで見ることのなかった世界へ飛び出すことに成功しました。
A君が仕事をなかなか見つけられなかった理由は、最初に就職した会社の営業職も自分には合ってないと感じていたし、同僚や上司などとの会話がスムーズにできず、なんとなく変人扱いされていると肌で感じてしまったことで、居づらくなって退職していまったのが原因で、どんな会社の面接を受けても、その時の嫌~な気分がよみがえってきて結局入社する決心がつきませんでした。
そうするうちに「自分には何のとりえもない」「誰も僕を必要としていない」そんな風に精神状態が負のスパイラルに陥ってしまったという経緯があります。長く社会と関わりを経っていると、自分を客観視することができなくなり、自分の能力や資質を見失ってしまいます。
相談員はA君の話をじっくり聞くことで、A君が本当にしたいこと、どんな環境に身を置くことがストレスのない状態なのかを自覚させてくれました。
まずは外へ出て自分らしさを探してみよう!
そこで営業職のように人との関わりが何より重要視される仕事ではなく、一人でもコツコツ何かを作り上げることのできる「プログラマー」を目指すことに!目標ができれば、おのずと何をすべきかが見えてきます。
プログラミングの勉強をしたこともなかったA君が、いきなり仕事を得ることは困難だと判断した相談員のススメにより、まずは独学で勉強しながら、学校を探すことになりました。
前回、Javaに関するブログ記事で触れましたが、スキルを身につけて現場経験を踏むと、一般的な職種より金銭的にも生活設計の上でも、自由の利く有利な仕事を得ることが可能になります。
Web系エンジニアであれば、ある程度敷居も低く、元々サーバー構築などが好きなA君にはいちばんマッチした選択であり、楽しくフラットでいられる職種だったんだと思います。その後、A君はとあるIT企業から派遣されたプロジェクトに参画しながら、日々スキルアップに励んでいます。
最初は開発プロジェクトのテスト業務からスタートしました。テスト業務は、プロジェクト全体を見渡すことができる大切な役割であり、実務経験を積む基礎にもなるものです。
苦手だった人間関係も、同じ開発に携わるメンバーと接するうちに、円滑なコミュニケーション能力も自然と身についていったようです。将来は、Webのフロントエンド開発やゲーム開発にも視野を広げて、そこに向けて具体的なイメージと日々キャリアパスを描いているそうです。
自分に合った仕事を選ぶのは実は簡単
さてA君の例でみてきたように、自分が本当に楽しく前向きに取り組むことができる仕事を見つけるのは、実は意外と簡単です。でも、日々の仕事に追われ、「こんなもんかな~」と思いながら過ごしていると、実はまったく自分の能力を発揮できない分野に身を置いてしまっている可能性があり、そういう人は多いと感じています。
自分の能力を必要以上に卑下せず、すべての可能性の中で、最も自分らしくいられる仕事を探してみるのは20歳代にしておくべきことだと思います。